アメリカンフットボールの試合には、性質の異なる2種類の時計が同時に存在する。試合全体の残り時間を刻む「ゲームクロック」と、1つのプレーを始めるまでの制限時間を示す「プレークロック」である。ここでは、この2つの時計がそれぞれどのような条件で止まり、あるいは動き続けるのかという、クロックそのものの仕組みを整理する。
ゲームクロックが止まる3つのパターン
ゲームクロックが止まる場面は、大きく3つのパターンに分けられる。
タイムアウト ― チームの権利として止める
各チームには、前半・後半それぞれ3回ずつ、任意のタイミングでゲームクロックを止められる「タイムアウト」が与えられている。数ある停止パターンの中で、これだけがチーム自身の意思で止められる唯一の権利である。
クォーター終了・ツーミニッツウォーニング ― 自動的に止まるタイミング
各クォーターの終了と、各ハーフ残り2分になった瞬間の「ツーミニッツウォーニング」では、チームの意思とは無関係に、ゲームクロックが自動的に止まる。
ボールデッド ― 止まるかどうか・止まり方は終わり方によって変わる
ダウン・パスインコンプリート・アウトオブバウンズ・タッチバックなど、1つのプレーが終わる条件そのものは複数あるが、実はそのすべてが同じようにゲームクロックを止めるわけではなく、止まり方にも違いがある。
- パスインコンプリート:試合展開に関係なく、常に次のスナップまで完全に止まる。
- アウトオブバウンズ:通常は審判がボールをセットし次第すぐに動き出すが、前半終了間際の残り2分と後半終了間際の残り5分だけは、パスインコンプリートと同じく次のスナップまで止まったままになる。
ゲームクロックが止まらないパターン
ボールデッドでも止まらない条件
ランプレーでボールキャリアがインバウンズでタックルされ「ダウン」になった場合、ゲームクロックは止まらずそのまま動き続ける。これは試合終盤であっても変わらない。
プレークロック ― 40秒ルール
プレーが終わってから次のプレーを始めるまでの間には、別の時計「プレークロック」が動いている。この制限時間内にスナップできなければ「ディレイ・オブ・ゲーム」の反則となり、5ヤードの罰退が科される。
- 40秒:通常は、1つ前のプレーが終わった時点から40秒以内に次のスナップを行う。
- 25秒:タイムアウトや反則の処理などクロックが一度リセットされる場面では、審判がボールをセットしてから25秒に短縮される。
まとめ
ゲームクロックは、タイムアウト・クォーター終了やツーミニッツウォーニング・特定のボールデッドという3つのパターンで止まり、通常のインバウンズでのタックルでは動き続ける。これとは別に、プレークロックが40秒(場合により25秒)の制限でスナップを促しており、この2つの時計の仕組みを理解することが、試合の時間管理を読み解く土台になる。