前編では、ロサンゼルス・ラムズを震源地に13パーソネルがどう台頭したのかを見てきた。後編では、この流れに対してディフェンス側がどう対応してきたのか、そして今後どこまで広がっていくのかを見ていく。
対応策1:ベースパッケージへの回帰
長年、NFLのディフェンスはニッケル(DB5人)を基本編成とする流れが続いてきた。しかし2025年シーズン、その流れに変化が生まれている。PFFの集計では、ベースパッケージ(DB4人)の使用率は2024年の23.3%から2025年には29.6%まで上昇した一方、ニッケルは65.2%から59.0%まで低下した。大型TE(タイトエンド)を複数並べる編成に対抗するため、守備側もより体格のあるフロントを取り戻しつつある。
対応策2:ビッグニッケルという切り札
とはいえ、単純に体を大きくするだけでは足りない。そこで台頭しているのが「ビッグニッケル」と呼ばれる編成だ。スロットCB(コーナーバック)や3人目のLBの代わりに、3人目のセーフティを起用する4-2-5型の編成で、大型TEに競り負けないサイズと、パスカバーもこなせる機動力を両立させる。従来はTE2枚の12パーソネルへの対応策として広まった手法だが、TE3枚の13パーソネルに対しても同様の発想で対応する動きが出ている。
コピーキャットリーグの中で
NFLは「コピーキャットリーグ」と呼ばれる。ある1チームが結果を出せば、他のチームも遅かれ早かれ追随する。ラムズの13パーソネルもまさにそうで、2025年はスティーラーズなど一部のチームがすでに追随の動きを見せていた。ただし、ラムズの成功はスタッフォードの経験や、複数のTEをルートに散らせるだけのタレント層があってこそ成立している面も大きく、同じ結果を再現するにはパスキャッチできるTEを複数揃える必要がある。すべてのチームがすぐに真似できるわけではない、という点も見ておきたい。
今後の展望
2026年シーズンに向けては、TEの需要そのものが上がっていくと見られている。ドラフトでもパスキャッチ能力を持つTEの評価が高まりつつあり、この流れが一時的なブームで終わるのか、それとも次の標準になるのかは、今後数シーズンの動向にかかっている。