1つのプレーとは、スナップまたはキックオフによって始まり、ボールデッドの条件のいずれかで終わる、試合を構成する基本単位である。プレーは、ポゼッション(攻撃権)との関係によって、ポゼッションを維持するプレーと、ポゼッションが移動するプレーの2種類に分けられる。それぞれがどう始まり、どう終わるのかという基本の流れを整理する。

プレーの種類 ― ポゼッションとの関係による分類

プレーは、ポゼッションとの関係によって、大きく2つに分けられる。

ポゼッションを維持するプレー

ランやパスによってボールを前進させ、ポゼッションを維持し続けるプレー。

ポゼッションが移動するプレー

ボールを蹴ることで、その時点のポゼッションが相手チームに移るプレー。キックオフとパントがある。

同じチームのまま前進
ポゼッションを維持するプレー ― ラン・パス
ボールが相手チームに移る
ポゼッションが移動するプレー ― キックオフ・パント

ポゼッションを維持するプレー ― ラン・パス

センターがスナップしたボールを、通常はクォーターバックが受け取ることで、プレーが始まる。

ランプレー

クォーターバックが受け取ったボールを、通常はランニングバックにハンドオフし、ランニングバックがボールを持って走ることで、前進を狙う。前進できる距離は、ブロッカーの動きとボールキャリアの走力に左右される。

走って前進できればプレーは成功。前進できない場合や、タックルによりむしろ後退してしまう「ロスタックル」、ボールを落として奪われる「ファンブルロスト」になるとプレーは失敗となる。

パスプレー

クォーターバックが受け取ったボールを、前方にいるレシーバーへ投げる「フォワードパス」によって前進を狙う。レシーバーがキャッチすることで成立し、ランより大きく前進できる可能性がある一方、リスクも伴う。

キャッチして前進できればプレーは成功。キャッチする前にボールが地面に落ちる「パスインコンプリート」や、相手チームがキャッチしてボールを奪われる「インターセプト」になるとプレーは失敗となる。

アメフトの「なぜ」: 「何度もパスを投げればもっと前進できるのに、なぜ1回しか投げないの?」と疑問に思ったことがあるかもしれない。しかしフォワードパスには、1プレーにつき1回までという制約があるのだ。他にも、投げる瞬間はスクリメージラインの後方にいなければならないという制約もあり、それらに違反すると「イリーガル・フォワードパス」の反則となる。その制約があるからこそ「一球入魂」、いつ・どこへ投げるかの判断がパスプレーの核心になる。

ポゼッションが移動するプレー ― キックオフとパント

ボールを蹴ることで、その時点のポゼッションが相手チームに移るプレーには「キックオフ」と「パント」の2種類がある。

キックオフ&リターン

試合開始・後半開始・得点後の再開といった、まだドライブが始まっていない場面で、自陣35ヤードラインに置いたティーからボールを蹴り出すことから「キックオフ」が始まる。蹴り出されたボールを相手チームの「リターナー」が受け取った時点で、ポゼッションはそのチームに移る。リターナーは、オフェンスの開始地点を少しでも有利にするため、ボールを持って走る。これを「キックオフリターン」と呼ぶ。

パント&リターン

フォースダウンなど、すでに始まっているドライブの中で前進を諦め、あえてボールを蹴って相手にポゼッションを渡す場面で、ロングスナッパーが約13〜15ヤード後方の「パンター」へスナップすることから「パント」が始まる。蹴られたボールを相手チームの「リターナー」が受け取った時点で、ポゼッションはそのチームに移る。リターナーは、オフェンスの開始地点を少しでも有利にするため、ボールを持って走る。これを「パントリターン」と呼ぶ。

自陣35ヤードライン キックオフ LOS 約13〜15ヤード パント
キックオフは自陣35ヤードラインから、パントはロングスナッパーから約13〜15ヤード後方のパンターへスナップしてから、それぞれボールを蹴り出す。

プレーが終わる条件 ― ボールデッドの基準

プレーは、以下のいずれかの状態になった時点で終了する。

ダウン ― 膝や体の一部が地面に着く
パスインコンプリート ― パスが地面に落ちる
アウトオブバウンズ ― サイドラインの外に出る
タッチバック ― エンドゾーン内でリターンされず終わる
背景・トレンド: かつてタッチバックは、キッキングチームにとって「無難な結果」として一定の価値があったが、2024年のルール改正でランディングゾーン・セットアップゾーンによる配置ルールが導入され、2025年シーズンにはタッチバックの基準がさらに35ヤード地点まで引き上げられた。タッチバックの「うまみ」が薄れたことで、キックオフのリターン率は2024年の約33%から2025年には70%台まで急増している。
観戦のヒント: 試合終盤、ボールキャリアーがあと少し前進できそうな場面でも、あえてスライドしたりサイドラインの外に出たりすることがある。クロックを止めたいビハインドのチームはサイドラインの外を、逆にリードしているチームはクロックを進めるためインバウンズでのスライドを選ぶ、といった終盤特有の駆け引きが見える。

まとめ

プレーはスナップまたはキックオフから始まり、ポゼッションとの関係によって、維持するプレー(ラン・パス)と、ポゼッションが移動するプレー(キックオフ・パント)に分かれる。いずれのプレーも、ダウン・パスインコンプリート・アウトオブバウンズ・タッチバックのいずれかでボールデッドとなり終わる。パス・ランそれぞれに、前進できないだけの失敗(パスインコンプリート・ロスタックル)と、ポゼッションそのものを失う失敗(インターセプト・ファンブルロスト)がある点を押さえておきたい。

もっと詳しく

ここで扱ったのは、プレーの種類とボールデッドの分類という基本的な枠組みのみ。ラン・パス・キックオフ・パントそれぞれの戦術については、以下のページで解説している。